和光稲門会
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「第三回和光の歴史を訪ねる会」を実施しました
 2012年10月13日

 
 ▲長照寺で記念撮影。鈴木会長(中央)を囲んで

 1013日(土)、さわやかな秋晴れのもと、「第三回和光の歴史を訪ねる会」を実施しました。参加者は以下の10名です(敬称略、氏名音順)。
【参加者】渥実/安保/石川/加瀬/慶田/笹平/佐藤/鈴木(会長)/
     久田/背黒
 

 午後1時過ぎ、最初に訪れたのは「新倉ふるさと民家園」(下新倉2丁目)。かやぶき屋根のこの民家は旧富岡家住宅を保存したもので、和光市の指定文化建造物。建てられたのは300年前、江戸中期(17世紀半ば)と推定され、県内に現存する民家では最古の部類に属するそうです。ちなみにこの民家園は、埼玉県が選定した「クールスポット」のひとつ。クールスポットとは、夏の午後に涼しく(クール)過ごせる空間や場所(スポット)のこと。県内276ヵ所のクールスポットのうち、建造物はここだけです。
   
▲ふるさと民家園で副島さん(左)の説明を受ける和光稲門会会員。右の写真がふるさと民家園 

 民家園で解説を務めてくださったのは、NPO法人「和光・文化を育む会」顧問の副島元子さん。これまでの「歴史を訪ねる会」でもお世話になっています。
 園庭で説明を受けたあと、民家園のなかへ。風通しがよく、湿気も少なく、クールスポットに選ばれたのも納得。今でも住むことはできるそうですが、「冬場は風がスースー入ってきて厳しいですね」と副島さん。
 現代の家屋とは構造も表情も異なる、このふるさと民家園。内部に保存された土間や座敷をながめながら、会員は300年前の人々の暮らしに思いをはせていました。会員のなかから「夏休みの体験企画で、子どもたちにここに一泊してもらったらどうですか」とユニークな提案も。副島さんは「お風呂がないのでねえ。いまの子は清潔ですから」と、にっこり。 

 
▲民家園の構造や歴史について説明してくださ
  る副島さん(右上)

 
 

 民家園のつぎに訪れたのは、大いちょうで有名な長照寺(新倉3丁目)です。
 はじめに、鈴木会長から長照寺の沿革について説明がありました。真言宗智山派のお寺で、少なくとも430年以上の寺史があるそうです。
 長照寺といえば大いちょう。和光市の文化財で唯一の天然記念物です。訪れたこの日は、ぎんなんの実がたくさん足もとに落ちていました。
 大いちょうについて解説してくださったのは、樹木医の小田部玲子さん。幹周り7.53メートル、樹高29メートル、推定樹齢700年。検査の結果、内部は空洞であることがわかっていますが、樹木としては生きており、「樹勢がある」(元気がいい)樹木だそうです。会員からは「大いちょうは地震がきたら耐えられますか」など、たくさんの質問がありました。すでに安全対策は施してありますが、「強風のときは近寄らないで」とのことです。
   
▲大いちょうのまわりを散策する会員(左)。
 樹木医の小田部玲子さん(上)。


 

  このあと、同じく長照寺にて句会を開催。講師は、「第1回歴史を訪ねる会」でお世話になった加藤三辰先生(三辰は俳号。本名は辰夫さん)です。この日は東大和稲門会の日影洋一さんも参加されました。
 「俳句なんてできるかなあ…」
 「なかなか浮かばないねえ…」
 会員の呻吟する声が聞こえます。加藤三辰先生は「見たまま、感じたまま、平凡でいいんです」とアドバイス。その場で添削してくださいました。会員が詠みあげた多くの句に、三辰先生から「すごい。普通はこんなにたくさんできませんよ」と、おほめの言葉を頂戴しました。
   
▲句会のひとこま。俳句を読む会員のみなさん。その場で添削してくださる加藤三辰先生(右)

句会で会員が詠んだ句から、いくつか紹介します(敬称略)。 

 無意識に頷く歴史秋の寺(鈴木会長)

 大いちょう見上げる彼方うろこ雲(佐藤)

 日めくりに黄落のときたずねけり(慶田)

 大いちょう見上げる間に間にいわし雲(久田)

 大いちょう古刹の屋根をみおろして(石川)

 巨古木の息づかひ聴き秋深し(笹平)

 秋の風受けてさざめく大銀杏(安保)


 句会のあとは、そのまま長照寺にて懇親会。大いちょうに見守られ、飲んで食べて、大いに交流と親睦を深めました。最後はもちろん、校歌斉唱。「都の西北」が秋の夜に響きました。

   
▲懇親会風景。お酒とお料理を楽しみながら、親睦と交流を深めました。

   
▲校歌斉唱。秋の夜に「都の西北」が響きました。 

  最後に、副島元子様、小田部玲子様、加藤三辰先生、ありがとうございました。

                           【文:背黒文宏/政経90年卒】

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